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理事長あいさつ

理事長あいさつ

理事長

はるな生活協同組合 理事長
櫻井 康喜

2012年にはるな生活協同組合は創立60周年を迎えました。60年と一言で申しましても、その中には歴史やドラマがあり、多くの諸先輩の汗と涙がつまっています。私達の日々の業務の中でも伝統が息づいています。

記念すべき1952年6月25日(昭和27年)にはるな生活協同組合の創立総会が開かれました。無論、1日にして創立総会ができたわけではありません。更に遡ること2年前の1950年10月に前橋の一毛町診療所や東京の診療所からの支援を受けて、当院の前身である高崎民主診療所が開始しています。敗戦から5年がたち平和や民主主義に多くの国民が燃える中で朝鮮戦争が始まった年でした。再び戦争への不安が広がる中、高崎の地に社会的弱者の救済や平和を願う人、朝鮮人の方々に支えられ誕生しました。
そして1953年に現在通町診療所がある高崎市通町に有床の「高崎診療所」を開設、1962年に病院化して「高崎中央病院」となりました。
1985年に現在の高関町に高崎中央病院は移転し、同時に病院跡地に通町診療所を開設しています。その後、歯科診療所の開設、在宅総合福祉センターほほえみの開設、また今年秋には介護サービス付き高齢者住宅ほほえみの杜を開設予定しています。このようにして現在に至れたのも高崎市をはじめとした行政の方々の御援助や多くの組合員の方や地域の皆様、関係会社、医療機関、介護関係の皆様の御支援、ご協力によるものと深く感謝申し上げます。

高崎中央病院として医療活動を始めた前年に国民皆保険が施行されました。国民皆保険は、1960年の社会保険制度審議会の勧告をもとに1961年に成立し、国民の誰もが公的医療保険に加入し、保険証一枚で「いつでも、どこでも、誰でも」必要かつ十分な医療を受けられる制度です。その結果として日本は世界有数の長寿国になったのだと思います。
国民皆保険は明らかに一般の生命保険や損害保険とは違います。一般保険では保険料を払っていなければ保険から排除されます。また、保険会社は赤字経営にはならないようにするため、保険料に応じて支払われる金額に差がありますが、皆保険では保険料による受けられる医療に差はありません。共助である国民からの保険料で足らない部分は公助である公費の投入でまかなわれてきました。この公費の投入は憲法の生存権の保障の理念に立つものであり戦後の平和、民主主義運動の中で培われたものと思います。
しかし昨今は医療への市場原理導入政策の強化、国保保険料負担の増大、失業や労働者の雇用形態の悪化で保険証のない人の増加などにより皆保険制度は形骸化が進んできています。2006年に厚生労働省は社会保険制度に対し「自ら働き、自ら生活を支え、自らの健康は自ら維持」という自助を基本にし、生活や健康のリスクを国民の間で分散する共助が補うことも「自助」や「共助」で対応できない困窮に直面している国民に一定要件のもとで公助扶助や社会福祉などを「公助」として行うとしています。
これは社会保障を連帯と共助にすりかえ、社会保障を社会保険にするものです。

今回の「社会保障と税の一体改革」では、社会保障の財源を消費税収入を主とするとしています。政府の社会保障費用の将来推計では、2015年の国、地方の公費負担は約47兆円です。消費税率を10%にしても25兆円程度の税収にしかなりません。これでは消費税だけでは賄えない計算になります。
このように「社会保障と税の一体改革」では厚生労働省の見解に沿って社会保障の概念を共助によるものとし、更に消費税を「国民が広く負担をわかちあう税」として共助型税と位置づけ社会保障の財源を国民が支払う保険料と消費税のみに限定しようとしています。そうすれば社会保障の給付削減か消費税増税かを患者、国民に迫るものになり、私たち国民の生活はますます大変なものになります。私達はこのような中で皆保険制度の原点に立ち返り、社会保障のあり方を見ていかなければならないと思います。
はるな生協としても「群馬・西毛の地に根付いて」平和と国民生活を守るために皆様と歩んでいきたいと思います。今後ともよろしくお願い申し上げます。